機能分散型総合博物館
博物館には資料の収集・保管・展示・教育という役割があります。また、その展示内容により、「人文科学系」、「自然科学系」の博物館があり、その両方を扱う博物館を「総合博物館」と呼びます。
須坂市では「市立博物館」「笠鉾会館ドリームホール」「旧小田切家住宅」「ふれあい館まゆぐら」「文書館」「文化財保存活用倉庫」の6つの施設を連携して考えることで総合博物館を実現する「機能分散型総合博物館」構想を進めています。ひとつの施設に資料や機能を集めるのではなく、分散させることで各施設の特徴を明確にし、各館が受け持つ専門的分野・テーマに関して展示や機能を充実させていきます。
また、須坂市の「まるごと博物館」は「建物の中で展示物を見る」というイメージから脱却して市全域を博物館と捉え、あらゆるところで文化財に触れ、それらを通じて地域の文化を学ぶことのできる仕組みです。機能分散型総合博物館は「まるごと博物館」を具現化するための施設として、周辺の歴史や文化を一体的に学習することができ、地域への理解を深めていただくことを目的に、立地条件を活かした個性的な展示を行っていきます。
- 須坂市立博物館
市民憩いの臥竜公園内にある博物館。機能分散型総合博物館の本館として、市域の歴史や文化財を案内するほか、原始・古代・中世と自然分野の展示館として貴重な出土品などを多数展示する。
笠鉾会館ドリームホール
江戸期から街道の交わる要所として発展した蔵のまち並みにある博物館。近世資料の展示館として須坂藩主堀家や江戸時代の暮らしについて紹介。江戸時代より続く祭り「祇園祭」で巡行する笠鉾は必見。
- 旧小田切家住宅
小田切家は幕末まで町年寄や須坂藩の御用達を勤めていた家。現在に見る一連の建物群は明治時代に小田切辰之助が再建したもので、明治から昭和初期にかけて糸の町として栄えた須坂の歴史と当時の人々の暮らしを現代に伝える。
- ふれあい館まゆぐら
明治期に建てられた三階建ての繭蔵を約180m曳き家して現在地に。内部では糸繰り器や蚕棚、製糸会社の絹糸輸出用ラベルなど、養蚕・製糸業関連の資料を展示。
- 文書館
市内に残る歴史的文書等の収集・整理・保存を行うとともに、所蔵文書の閲覧等の一般利用希望に応じる。文書等に関する調査・研究を進めながら、普及啓発活動の一つとして複製文書等による展示も実施。
- 文化財保存活用倉庫
文書から農具まであらゆるものを保管する機能分散型総合博物館の収蔵の要。特別公開の際は須坂市内で最後まで稼働した製糸工場の大型機械、市内映画館に残された懐かしの映写機、米子硫黄鉱山で使われた削岩機などを見ることができる。